デカダンダンダンス ◆◆◆◆

そぞろ言

 

この世の有象無象はすべて必然性の中にあり、そこに偶然性を見出すことのどんなに愚かなことか……生きているものは死んだ時が寿命だと思えば、いつでも不動の心を保つことができるはずで、並みの理性よりもはるかに賢明で美しい無秩序をもった狂気を演じるロートレアモン伯爵の『大量 の言葉で埋め尽くされた理性』も……バタイユの、人間が問い以外のものにはならないと決心したときの、人間を待つ答えである『内的体験』も……明快で、確信にみちた、そして断乎とした肯定を積み重ねて遂行されるサド侯爵の『明白な真理である理性』も……結局はその辺に落ち着くような気がするし、彼ら一流の精神……自らの素顔を隠すことによる逆説的な素顔の表出……で、それを表現しただけのようにも思えてくるし、すると、永山則夫が流した『無知の涙』も……セリーヌの『四の五の言う蛆虫ども』も……実は同じ地平での事象で、ある必然性から湧き出た唯の真理なのだと、私の我が儘な理性が、その勝手な解釈のおしりをさらに撫で、いつもの所詮『何もしない(無為の実践)』に勝るものはないという結論に行き着いてしまい、げっぷが出そうなくらいに飽和したいまの世の中に……いまの世の中しか知らないのだが……そろそろおさらばでもしたいという気持ちをなんとか沈めながら、また同じ繰り返しを実行し、その繰り返しに妙に愛着を感じている私の中のマイノリティたちは、早くこの偽デカダンスの終末を確認したいと疼きながらも、天女と戯れるときをいまかと待ち望んでこんな歌を口ずさむ。

 

期待がすべてを支配する

期待が期待を期待する

期待と期待のすき間のない曖昧な空間で

期待は期待を貪る

そして、やがて訪れる 究極の期待に

すべては 歓喜の産声を上げる

ってが……

 

もうあなた方とお会いすることはないと思いますが、独りよがりの私を読んでくださってありがとうございました。

マド


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